中国人にとっての不動産とは?香港不動産への影響

FIRE投資

 こんにちは。海外現採平凡リーマン”ぜろぐら”です。

 今回は中国人にとっての不動産とは何かということについて書いていきたいと思います。日本人の場合は夢のマイホームというように”居住する場所”というイメージが強いですが、中国人にとって不動産とは投資の対象です。

*『中国人のお金の使い方』という本の内容を一部抜粋、参考にしております。

中国人にとっての不動産の意味

都市部住民の持ち家は平均1.5軒

 日本人ならば大抵所有する不動産は一軒というのが典型的な例であると思いますが、中国ではそうではありません。中国人にとって不動産は住居であると同時に投資であり、人生のステップアップに欠かせない道具です。

 中国国家統計局の2019年のデータで、都市部の家計簿支出のうち、住宅費は24%となっており、2009年の統計では10%だったので10年間で倍増しました。

 2020年5月、中国人民銀行が発表した、都市部住民世帯を対象として行った資産状況に関する調査報告によると、都市住民世帯の住宅保有率はなんと96%に上っていたそうです。

 そのうち一軒の住宅を保有する割合は58.4%、2軒を保有する割合は31%、3軒を保有する割合は10.5%、1世帯平均で1.5軒を保有していることがわかりました。

不動産とは”転売するもの”

 不動産を複数所有する理由は簡単で、財テクの道具として見ているからです。不動産が値上がりすれば転売益で豊かになれる。そう考えているのです。

 中国人民銀行の調査によると、都市部住民世帯の総資産の平均値は317.9万元(約4700万円)。省(自治区・直轄市)別にみてみると、世帯資産が最も多いのは北京市で892.9万元(約1億3392万円)、続いて上海市が806.7万元(約1億2100万円)、江蘇省が506.9万元(約7603万円)の順です。

不動産購買を断念した若年層の出現

 資産を形成した多くの中国人は不動産による恩恵を十二分に受けたことに間違いはないですが、昨今不動産を買わない20代・30代が増えてきもいます。もともと中国では現物資産に重きを置くような風潮があり、結婚時には”家と車”が必須アイテムのように扱われてきましたが最近は様相が違ってきているようです。

 中国住宅価格も現在かなり高止まりしてきており、また世界の流れがより一層早くなり何が起きるかわからない時代へと突入しています。多額の債務を負って息を殺して何十年もローンを支払い続ける生活に嫌気を覚える若い年代がいてもおかしくはないですね。

香港不動産への影響

不動産を買い続ける中国人の流入

 中国は動乱の歴史を何度も繰り返してきた中でより不動産や金、宝石などの現物を好む考え方が染み付いており、それがベースにあることには間違い有りません。中高年の富裕層はまだ不動産への信仰は根強く、世界的にも不動産を買い漁っています。香港においてもこうした流れは今後も続くものであると考えられます。

 既に世界一の不動産価格になってしまった香港ではありますが、今後劇的に価格が伸びはしないものも、かねてからの土地不足と人工密集、そして中国内地からの移民が引き続き多いのであれば不動産価格も徐々に伸びると考えられます。

 中国内地からの移民ですが、2015年の調査によると、1997年の香港返還以来、中国本土から香港に移り住んだ人の数が87万9000人に達しており、香港の人口(730万人)の8人に1人が本土出身者という計算となるそうです。内地からの移民は単純に一日平均すると130人を超えている状況です。

香港デモ時の私の体験

 高止まりする香港の不動産ですがSARSのときやリーマン・ショック時にかなり下落する場面があったそうです。私自信も当初から香港の不動産はいくらなんでも高すぎると思い、いつかは下がるはずだと考えていました。でも大きく下落するような調整局面は結局香港に来て7年間で訪れることはありませんでした。

 印象深かったの2019年の香港デモ時のことです。-5%ほどの調整があったものの、結局そこから更に大きく下落するような場面はおこりませんでした。香港に住んでいる立場の人間としてはあんな大事件で、日常生活やビジネスに多大な影響がでているのにこれだけの調整なんだ・・とショックをうけました。その時私は香港嫁に”香港の不動産は特別なんだと”いわれました。それで初めて私は香港不動産の特異な状況が腹に落ちたように感じました。

まとめ

 理論的に考えればありえないくらい高い香港不動産ですが、中国人の不動産を始めとした現物資産信仰から、今後もやはり高止まり・値上がりの状況が続くのではと考えてます。(それはやはりほ香港でも時のときの経験が非常に大きいです。)

 将来的にはもちろん状況が変わる可能性もあるとは思いますが、既に購買してしまった私としては順調に伸びていってもらいたいとも願っています。もしも不動産価値が下がるようなことがあれば・・ 想像しただけで恐ろしい・・

コメント

タイトルとURLをコピーしました