レバレッジETF-その長所と短所、主な種類

FIRE投資

 こんにちは。海外現採平凡サラリーマン”ぜろぐら”です。

 今回は株式投資の中でもレバレッジETFについてその長所と短所、そして主な種類について書いていきたいと思います。多くの著名投資系Youtuberからは評判の悪いレバレッジETFですが、その実はどうなのでしょうか?

 結論から言いますと短所があるのは理解しますが、メリットも大きいですので、一定の注意を施せば投資選択としてはありなのではないかと思います。

レバレッジETFとは?

 レバレッジETFとは対象の指数の一日の値動きの2倍、もしくは3倍の値動きになるように設計されたETFとなります。レバレッジと聞きますとFXのように10倍、20倍というような値を思い浮かべるかと思います。実際FXでは高いレバレッジのため、強制ロスカットや追証が発生することがありますが、株式のレバレッジでは保証金を要請されるようなことがありません。

 注意する点は対象指数の2倍、3倍というのはあくまでも1日の値動きに対しての反応ですので、長期で見ると元の指数から乖離していってしまうことが往々にしてあるということです。その特徴はとにかく個別株もしくはそれ以上にボラティリティが高いことです。上にも下にも値動きが激しいので、スカッとするような爆益をGETすることもあれば、暴落時にはまさに滝のようなフォールを見せます。

長所と短所は?

 長所についてまず一点目は銘柄によっては尋常ではないくらいの素晴らしいリターンを取ることができます。論より証拠。以下がここ十年間で””TECL”というハイテクレバレッジ3倍ETFが見せたパフォーマンスです。

レバレッジETF”TECL”の最近10年間のパフォーマンス

 2011年3月からみて10年のリターンが3594%となり、投資金額をそのまま動かさなければざっくり37倍となる計算です。S&P500連動の代表的なETFに”VOO”というものがありますが、ただの平行線に見えてしまいます・・203%と約3倍のリターンを出しているにも関わらずです。

 点目としては、その素晴らしいリターンで時間を買えるということです。時間は誰にとっても有限です、年老いてから持つお金に比べて、若い時分にもつお金のほうが価値があることは明確です。もしも早くお金を稼いで実現したい夢がある人、打ち込みたい趣味がある人、もしくはすでに40台・50台で資産形成開始が遅れたが挽回したい人にとっては、有用性の非常に高い投資選択先になりうると思います。以下は”TQQQ”というNASDAQ100の3倍に連動するレバレッジETFで、年間リターンを+60%と仮定し、毎月5万円の積立を実施したシュミレーションですが、7年10ヶ月後には1億円の資産を達成できる見込みです。

レバレッジ3倍NASDAQ100_年リターン60%想定で毎月5万円を積立した場合

 

 短所について1つ目は価値の逓減が挙げられます。逓減とは時間の経過と共にその価値が目減りすることです。下に簡単なデータを示してみました。原指標が100→100へ戻るような変動率を組んで1~3日目までの擬似的な株価を作成してみました。

 ご覧の通り、レバレッジ3倍の場合は、元の100まで戻ってこずに約-5.4%となります。これが価値の逓減と言われるレバレッジETFの弱点であるとされ、特にボックス相場に弱いと言われています。

 二点目としては、暴落時に半端ではない急落を見せ、狼狽売りのトリガーになりうるか、もしくは歴史的な大暴落時には株価が地の底まで下り、その後地合いが回復したとしても、たとえ3倍値動きでも原指標まで帰ってこないというリスクがあります。記憶に新しい2020年3月のコロナショック大暴落時にはTQQQは以下のような急落を見せました。

 TQQQは直近20年2月19日には59.3ドルだったのが20年3月20日には17.76ドルとなりました。その下落率、実に-70%!!!!絶叫マシンそのものです。原指標のQQQを見るとそれでも-28%で済んでいますので、レバレッジ3倍の逆噴射の凄さをまざまざと見せつけました。今回のコロナ不況に対して各国が素早く対応しましたので、その後株価は割と早く回復していきましたが、もしもより長い期間において株価が下落していたら・・TQQQはもしかしたら5ドル以下くらいにまでなっていた可能性は否めません。(今回のコロナ暴落でTQQQはちゃんと戻ってきました。👇) 

TQQQ対QQQーコロナショックの暴落と回復

もし奈落の底に落とされてしまった場合はいくら3倍レバレッジといえども、原指標並まで戻ってくるのに相当な時間がかかると予測します。このあたりについてはYoutuberの”【投資塾】知らないより知っていたほうが役立つ話”というチャンネルでITバブル崩壊時からの自作チャートをもとに説明されている動画が詳しいです。

 活用例と留意点

長期投資の場合

 私は今後投資するレバレッジETFに確固たる成長曲線を信じてやまない場合は、長期投資をしても構わないと思います。もちろん暴落時には急速に溶けていく資産を目の当たりにしますので鉄の意思が必要であることは明記しておきます。

 長期で考える場合は①ガチホールド!②定期購買③暴落時に買い増しの3つのルールで望むべきだと考えます。

 もう何があっても最終的には右肩上がりであると信じて、毎月定期購買してホールドし、暴落時には眉一つ動かさずに買い増しまでできれば問題ないでしょう。強靭な握力でもってレバレッジETFを保有し続ける必要がありますが、成長レバレッジETFであればそのリターンは他を圧倒して止まないものとなります。

短期投資の場合

 暴落時に握り続ける自信がないという方には(大部分がそうと思います)、暴落時に仕込んでおいて回復局面で大きな利益を得ることもできると思います。

 短期の場合はRSIなり、前月比マイナス何%というようなルールを作って、引っかかったら購買して、これまた高値のルールを決めて売却する形でまとまったお金を手に入れる方法です。

 暴落時のストレスでハゲることが決定的と思われる人は(大部分そうだと思います)割り切ったこうした活用がいいのではないでしょうか。もちろん日本の場合はキャピタルゲイン税の支払いがあるので多少目減りすることは念頭に置かなければなりません。

香港の場合

 なお私の香港の場合においてはキャピタルゲイン税が取られませんので、細かな利確をしても税制上のロスがなく、上記の長期目線と短期目線でのハイブリッド戦略も使用できそうです。

主だったレバレッジETFの種類

 下記に主だったレバレッジETFを列記します。実際はブル型とベア型がというタイプ別でありますが、ベア型は相場が下がるタイミングで利益が狙えるもので上級者向けですので省きます。

TQQQ:NASDAQ100の3倍ブル型レバレッジETFです。ガッチリ成長中NASDAQファンの方は必見!

QLD:NASDAQ100の2倍ブル型レバレッジETFです。NASDAQファンだけど3倍はちょっと・・という方に。

TECL:ハイテク3倍ブル型レバレッジETFです。アップルやMicrosoft、Visa、Masterが組み込まれています。ハイテクの今後の成長を引き続き期待している人に。

SOXL:米国半導体3倍ブル型レバレッジETFです。景気敏感セクターと言われる半導体ですのでボラティリティが激しく、いわゆる”じゃじゃ馬”ですが、トータルリターンはNO1 !

CURE:ヘルスケアの3倍ブル型レバレッジETFです。このセクターは不況にも強くレバレッジETFの中では安定感があり優等生といえます。

SPXL:S&P500連動の3倍ブル型レバレッジETFです。堅実かつ成長の見込めるS&P指標は大人気。このレバレッジETFも米国人気ETFトップ10に食い込んでいます。

WEBL:インターネット3倍ブル型レバレッジETFです。2019年創設の新しいETFで、特にここ最近のコロナ巣ごもり需要を取り込み、ここ1~2年の成長率は一番です。

CWEB:中国インターネット3倍ブル型レバレッジETFです。中国のハイテクへ投資したい方に向けて。

TMF:20年国債3倍ブル型レバレッジETFです。株式と逆相関の値動きを取ると言われる国債指数を取り入れてPFのボラティリティを若干マイルドにできるかもしれません。

まとめ

 今回のまとめをしていきたいと思います。

  • レバレッジETFとは対象の指数の一日の値動きの2倍、もしくは3倍の値動きになるように設計されたETF。
  • レバレッジETFは3倍の値動きを目指しているのでボラティリティが非常に激しいのが特徴。
  • 長所は他を凌駕するリターンと時間の挽回。
  • 短所は価値の逓減と暴落時のフリーフォール。
  • 長期投資の場合は強靭な意思があれば積立定期購買が可能だが、短期投資で利幅をとるだけのヒットアンドアウェイ方式も可能。

 次回以降もレバレッジETFの紹介していきたいと思います。

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