今話題のFIRE(Financial Independence Retire Earlyの頭文字)経済的自立と早期リタイアについて書かれた本です。
1日44セントで暮らす貧困家族から31歳でFI(Financial Independence)を達成するまでの経験とノウハウが書かれています。
豊かな家庭状況ではなかったが、あきらめずにトライ&エラーを重ね、FIREを達成したクリスティーの物語は必見です。
*ポイントと感想を記載してきますが書籍のネタバレが含まれますのでご注意ください。
クリスティーの”欠乏マインド”
何かが不足しているとき、それはその人の生活においても精神的にも最も重量なものとなりえます。それが欠乏マインドです。
クリスティーは中国四川省の生まれで貧困家庭のなかで育ちました。彼女の家の食費は一日たったの44セントだったそうです。
1988年幸運にも父親がカナダで博士号と取るために移住するチャンスを得て、当初母とクリスティーナは別居でしたが。後にカナダへ移住することになります。
著者のクリスティーナはこう言っています
- お金こそが、世界で最も大切なものです。
- お金は、犠牲を払う価値のあるものです。
- お金は、血を流して得る価値のあるものなのです。
お金を貯めるめにすること
アインシュタインは次のように述べたとされています。「複利は世界で八番目の不思議だ」。
もしも投資家として複利を使うことができれば、それはお金を増やしてくれる友達です。一方もしも借金を背負っていたら、それは敵に変わります。
そういう意味で言えば消費者ローンは最悪の借金といえるでしょう。これは吸血鬼であり、この化け物から最初に退治すべきです。
もしも高利の借金がある場合は支出をギリギリまで削って、これを返済しましょう。(住宅ローンは投資の意味も含むので4%未満であれば最低限の額だけを返済することとしています。)
より多くのモノを所有するほど人は不幸になりストレスを抱えます。逆により少ないモノを所有し、旅行や新たなスキルの習得など経験によりお金を使うほど、より人生に満足します。
節約の秘訣↓
- ステップ1:あなたを幸せにしない基礎的な支出を削る
- ステップ2:痛みの伴う支出を削る(いずれ慣れる)
- ステップ3:所有している高額なものを減らす
- ステップ4:たまにはご褒美を加える
インデックス投資の勧めと現代ポートフォリオ理論
アクティブファンドの多くはインデックス指数をアウトパフォームできているのでしょうか?実際には15%だけがアウトパフォームしているだけで、85%は負けているのです。
インデックス投資は株式市場全体にかけることで、相場の上昇にうまく便乗できます。勝つ銘柄を選ぶのではなく、すべての銘柄に同時に投資が可能で手数料が安いです。
現代ポートフォリオ理論は資産を2つの指標(期待リターンとボラティリティ)で表します。結局それはその人が求めるリターンと許容変動範囲から最適な割合を決める必要があります。クリスティーは株式6割、債権4割をえらびました。
大事なのは出口戦略だ!
クリスティーは欠乏マインドが強すぎて、出口を見出すことができず、不安ばかりを溜め込みやすい状況でした。しかし彼女は時間がお金を生み出すことの反対に、お金で時間を買えることに気づきました。それがフリーダムマインドであり、出口を探すきっかけとなりました。
4%ルール
4%ルールとは、もし1年間の生活費が投資ポートフォリオの4%と等しい金額であれば、リタイアしても95%の確率で30年以上に渡り老後資金が尽きないという法則です。
つまりもしも年間400万円の資金を必要としているのであれば、1億円の資産を持てばいいということです。
しかしクリスティーは極度の心配性のために、失敗確率がまだ5%あることから、この方法だけでは安心できないでいました。そこで更に以下の2つの戦略をつくりました。
現金クッション
必要な資産を用意してリタイアしたとしても、最初の5年間が下げ相場であって、虎の子の資産を取り崩してしまった場合には失敗する確率が高いのです。
それをしないためには、シンプルに下落局面で売らないことが重要となります。ですので下落局面で取り崩さないように余剰資金を作っておく必要があります。これには次の戦略である利回りを計算して以下のような計算式で準備する必要があります。
現金クッション=(年間支出ー年間利回り)*年数
利回りシールド
利回りシールドとは、一時的にポートフォリオの資産の中心を高利回り資産に置き換えるということです。投資ポートフォリオの中心はインデックス投資であることが最も効率がいいのですが、株価の暴落に備えて高利回り資産に置き換えていくことで、防御力が高まり、今後も資金が持続するという自信を持つことができるのです。
高利回り資産とは以下のようなものです↓
- ・優先株
- ・不動産投資信託(REIT)
- ・社債
- ・高配当株
実際のリタイア後の資金管理
これまでの内容で必要な資産と出口戦略を揃え、いざFIREとなったところで、心配性のクリスティーは更にバックアッププランを持つことを勧めています!
バケツシステム
リタイア後の資金管理は3つのバケツに分けて考えます。それぞれを年初に準備します。
- ポートフォリオ:リタイア生活を支える資産のバケツ
- 今年の支出:その年に使う予定の資金のバケツ
- 現金クッション:普通預金口座に準備金を入れておくバケツ
パックアッププラン
もしも下落相場が長引いた時のため複数のパックアッププランを勧めています。
- パックアッププラン1:利回りシールドの利用
- バックアッププラン2:現金クッションの利用
- バックアッププラン3:地理的アービトラージを使って生活費を抑える(物価安の国で生活)
- バックアッププラン4:サイドハッスル(副業)を始める
- バックアッププラン5:一時的にパートタイムの仕事に復帰する
FI(Financial Independent)を達成するための3つの力
それぞれにFIを達成する方法があり、それは各自の戦略によるところです。それは大きく分けて3つの力があります
- ハスラー:お金を稼ぐことであり起業家的な活動に強みがあります。(例イーロン・マスク)
- 投資家:お金を増やすことを得意とします。(例ウォーレン・バフェット)
- オプティマイザー:支出を抑えて財産を気づく人です(例著者のクリスティー)
まとめと感想
決して裕福でない家庭状況の中、たゆまぬ努力で30歳過ぎにFIREを達成した著者には尊敬の気持ちでいっぱいです。
起業家でなくても投資家でなくても、資産を築くことができる”オプティマイザー”という方法を示してくれ、またみんなに再現性がある内容だと感じました。
私の場合は著者のクリスティーのような貯蓄率が50~70%の状況ではないですが、まずは支出をしっかりと減らして貯蓄の基盤をつくり、同じに稼ぐ力と増やす力も徐々につけて資産を伸ばしてきたいですね。
今の仕事に大きな不満はないですが、給料という生殺与奪権を握られており、個人的にも余裕のない状況下で仕事の成果が出しづらいなと思っている今日このごろ・・サラリーマンやめても最低限生活がなんとかなるという自信をつけていきたいものです。
働くのは好きですのでFIREというよりはFI(Financial Independence)経済的自立を目指したいです(^^)
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