こんにちは。”ぜろぐら”です。
香港の不動産は非常に高いです。調査機関の情報を見ると世界一高いそうです。
私はそれでも香港の1Roomマンションを購入しました。
買う際には日本の2~3倍もするマンションを購入することにすごく葛藤がありましたが、これから話す内容にもとづき、それでも損はしないと考え購入にふみきりました。
今回は香港での不動産投資とその展望についてお話したいと思います。
最初香港に降り立ったその時から・・賃貸費は頭痛の種
ぜろぐらの賃貸遍歴
2013年香港に降り立ったその瞬間から戦いは始まっていました。来る前から一人暮らしに必要な家賃は小さな部屋でも大体10万円と聞いていましたのでどんだけ高いんだと・・
最初はすぐに仕事が始まるので探す時間もなさそうだと思い、家探しや契約の必要ないルームシェアでやり過ごしました。古いアパートで20平米くらいの面積に4畳半の部屋が2つあり、そこにすみました。家賃負担はそれでも約8万円/月。
ルームシェアを終えてそこを離れ、香港にもなれてきたので自身で契約して引っ越しました。新しい賃貸は13平米くらいの唐楼*のマンションでした。小さなスペースの部屋を仕切り1Room仕様にしてましたね。狭かったですが、ちょうどリフォーム終えてきれいでしたので少し長くすんでました。家賃は8万5千円/月くらいです。
唐楼というのは古い香港住宅のことで、エレベータなしの階段で昇降する物件です。高さが最高でも8~9階と低い建物です(あまり高いと昇降がしんどいですからね)。唐楼は一人暮らしには家賃を抑える最良の手段だと思います。唐楼は九龍の都心部周辺に位置していることが多く、通勤が比較的楽で、またアパートが古くて階段昇降のため家賃が割と低めに抑えられているのです。そして賃貸オーナーが500平米くらいの部屋を3つくらいに分割して小ぶりの部屋を貸し出しするような形態がおおいのですが、運がよければちょうどリフォームが終わったか、まだあまり時間が経ってないところもあるので、中は割ときれいです。
最初の唐楼から一度引っ越ししたことがありますが、概ね一人暮らし期間中は唐楼物件にお世話になりコストを抑えながら暮らしていました。その後香港嫁と結婚して、また少し広めの物件に引っ越して同棲期間を経ながら頭金のお金をため、今のマンションを購入することになりました。
香港人の人は実際どうしてるの?
では実際香港の人はどのように暮らしているのでしょうか?結論から言いますと、成人しても(最悪の場合ば結婚しても)ほとんどは家族同居という道を選択している人が多いようです。賃貸費用が高すぎて大きな負担になっているからです。
数字を見てみましょう。香港人の平均給与ですが香港政府統計処が発表した「香港的女性及男性主要統計数字 2020年版」を見てみると平均給与は17,100HKD(=約23万円)となります。(ダブルペイやボーナスを入れると平均年収は400万円くらいかと予測)一方香港不動産住宅の価格はというと、アメリカのCBREが発表した個人住宅のレポートによると賃貸住宅の平均価格は2万1800香港ドル(約29万円)と平均が2万ドルを超えており、まず一人の給与では賃貸さえままならず・・更に香港の平均住宅価格は約963万香港ドル(約1億2,900万円)とありますから、普通に購入するとなると香港の平均年収の30年分を超えてきます。。
このように住居費の負担が非常に高いので、もし一人で住みたい場合は先述した唐楼に入ったり、そもそも家族と同居して過ごすというパターンが多いのです。余談ですが香港の住宅は本当に狭いです。世界でも有数の住居密度があるため一つ一つの家と部屋が大変せまく、皮肉を込めて”香港蟻居”(香港アリ住宅)と言われたりするほどです。もちろん富裕層も一定割合いますし、中国からお金持ちがきて投資したり入居しているケースもあるので、豪勢で広い住居もありますが、一般的な香港人の住環境はこれまでに述べたケースがほとんどだと思います。
世界から見た香港の不動産価格と政府の施策
高騰する香港の不動産価格は世界でも群を抜いています。アメリカのCBREによると、香港の平均住宅価格は約963万香港ドル(約1億2,900万円)で世界で一番高く、2位はシンガポールで682万香港ドル(9,120万円)。香港はシンガポールに比べて4割以上高い価格ということですΣ(・□・;)。3位は上海で680万香港ドル(約9,100万円)と続くようです。
こんな高い不動産では香港の一般市民は購買できるはずがないです。飲まず食わずではたらいて30年間分の給料をつぎ込んでやっと取得できる水準であり、常軌を逸した価格です。しかしその点について香港政府も以前より対策をしてきています。もともと香港政府主導の公営住宅が結構な数があり、高齢者や低所得者から順番に供給しています。すでに現時点で約330万人(人口の約44%)が公営住宅に入居しています。しかしまだ供給が足りておらず、香港で一定の条件(所得上限など)を満たすと申請できるのですが、聞くところによると倍率は100倍だそうで、大体5~6年待たないとだめらしいです。
政府は高騰する不動産価格を抑えるために、空き屋が一定期間あると課税される『空置税』を実施する運びとなりましたが、この意に反して、不動産価格は依然上昇を続けています。。それをうけて更に政府は今後10年間で公営住宅24万戸以上提供するという計画を明らかにしています。
それでも価格上昇?購入に踏み切った理由!
香港でマンションを買うことには非常に葛藤がありました。上記のような香港政府の施策もあるので今後は頭打ちで値下がりするのではないかとか、日本だったら2~3個買えるよなっとかいろいろ考えがめぐりましたが結局のところ購入することにしました。香港嫁の強硬な姿勢も大きな理由の一つですww。下記にしめしますが香港の不動産価格は1997年の返還時から76%も上昇しているのです。香港嫁はその印象が非常に強いのだと思います。
中原という不動産会社の中古住宅指数をみると、返還時を100として現在は176という水準です(つまり76%上昇)。変換時には過度な期待であったのか、その後香港の不動産価格を落ち着きをみせていましたが2010年台になるとぐんぐんと伸びていき、2018年や2019年には一次190まであがりました。その後香港デモやコロナ影響もあり今は落ち着いて(⁉)176という水準です。過去の値上がり推移を参考にしました。
そして今後も引き続き中国大陸からの人口流入が考えられます。これまでも毎年数万人単位での人口流入がありましたが、今後も継続されていくものと推察します。昨年国家安全法が制定され急速にその魅力が失われており、香港人の移民脱出も増える中、それでも内地にくらべてまだまだ先進的で自由なイメージがあると思いますので、中国内地からの富裕層の流入は続くはずでです。共産党支配がすぐに崩れるようであれば話しは別ですが、そうした可能性は現時点では低いと思います。
また普通に考えたら不動産価格が下がってもおかしくない状況であるにも関わらず、その価値をキープしているのも香港の大きな特徴かもしれません。個人的には2019年から始まった大規模な香港デモの後でも、不動産価格が暴落しなかったのが印象的でした。価格調整はありましたが大体5%~7%程度の下落であり、香港に住んでいる身としてはこんな政情不安定なんだからもっと下がってもいいのにとおもっていましたが、あまり下がることはありませんでした。このように香港の不動産価格はロジックでは計り知れない部分が相当あります。
まとめ
様々な苦悩はありましたが、あまり夢のマイホームいう感じではなく、投資資産としての側面を重視して高い(高すぎ!)ながらも購入することになりました。もちろん億ションを購買できるような甲斐性はありせんので・・香港郊外(都心まで一時間ほど)の場所に築3年、1Room(27㎡)、約7,000万円の家を30年ローンで買いました。毎月のローン返済額を冷静に見ていくと気が狂いそうです( ゚Д゚)
マイホームとしてもちろん最初は住むことになりますが、ゆくゆくは状況に応じて賃貸に出すなどして経済的負担を減らし、投資や貯蓄にお金を振り分けていきたいという予定です。もし賃貸に出す場合はまた香港嫁と一緒にぼろくて安いアパートへ引っ越ししないといけないですね・・
状況次第にはなりますが、共産党支配が年々強まる香港で、少なくとも2047年には完全に中国化される可能性が高いですので、それまでには香港を出る、そして不動産も売却するなど処理をしていくことになると思います。とりあえず向こう5~10年は手堅く所有していく考えです。(不動産価格が下がったら本当にピンチですが、そうならないことを切に望みます!)
不動産平均価格がゆうに一億円を超える香港不動産は一般庶民にとっては地獄絵図そのものです。しかし、香港の事情をよく理解し、悪い材料であっても逆にそれを利用して前向きに付き合っていきたいところですね。
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