安い!タックスヘイブン香港の個人所得税。実例含めて解説。

海外生活

こんにちは。”ぜろぐら”です。

 今回は香港の個人所得税について書いていきたいと思います。日本では所得税は国税である”所得税”と地方税である”住民税”に分かれていますが、香港では住民税はありません。日本に比べて安い所得税について、私の体験も含めてまとめて行きたいと思います。

香港個人所得税の概要

基本と特徴

 課税の方法は2つあります。1つ目は給与や手当などのすべての所得に対して税率が累進で2~17%がかかってくる方法(=累進課税方式)。2つ目は、所得控除前の所得に15%を乗じた額が課税される方法(標準課税方式)。普通の給与をもらっている人であれば間違いなく前者の累進課税方式が有利です。

 香港では”住民税”というものがないので所得税一本となります。また香港では源泉徴収されることがありませんので自分で申告をして、自分で払わなければなりません。(最初私はよくわからずに放置していたら、税務局からアラート郵便が届き、+遅延手数料がかかってしまいました。。)

 また注意点ですが、すでに終了した年度とその次の年度の2ケ年分を、一番最初の時は払わなければなりませんので、最初納税時は少し高めに支払う必要があります。次の年度の分というのはまだ所得が確定していませんので、暫定ということで該当年度の所得を参考に計算をされて支払いをさせられます。暫定で支払いした分は次年度には確定した税金額と比較され、差額が減算されるか、もしくは加算されます。この次年度分を暫定で支払っているというのは大きなポイントの一つです。

所得税の各種流れ

 税務年度は毎年4月1日~翌年の3月31日となっています。会社からは税務年度に応じた年間給与のまとめ表を5月か6月にはくれるはずです。その後、大体夏ごろまでに政府から個人所得税申告書が送付されてきますのでそれに記載して郵便返送・申告することになります。

 大体10月か11月ころでしょうか。確定税額通知書が届きますので、それを確認して異議がある場合は1ケ月以内に言います(特段なければなにもしません)。支払いは翌年1月までに確定税額の75%、4月までに残りの25%を支払いしなければなりません。もちろん預金額に余裕ある人は通知書をもらったら、すぐに払ってしまっても大丈夫です。(私はなるべく早く支払いをしてしまってます)各種郵便は会社に届くことになっているはずですので、ここまでの手順で通常抜け漏れはないです。

累進課税率

 累進課税率は以下のようになっています。

各種控除

 そして各種控除額はこのようになっています。

実際の計算方法

 ここまででほぼ内容は網羅していますが、実際に簡単な例を見ていきましょう。例えば所得が45万香港ドル(約600万円)があり、独身の場合で計算してみます。他に事業収入などがあれば別途申告する必要がありますが、ここでは一番単純なサラリーマンとして計算していきます。ついでに株式など有価証券の利益は基本課税なしですので、その部分記載する必要がありません。

 まずは総所得額から各種控除をしていきます。扶養があれば別ですが基本このようになります。

45万HKD ー 132,000(=基礎控除) - 18,000(=MPF自己負担分控除) =30万HKD

  次にここで求めた課税対象額に累進課税を計算します。以下の手順で順に決まります。

 よってここまでの計算式によって、この年度で支払う所得税は33,000HKD(約44万円)となります。実際に支払う金額は前年度の暫定税額と比較され、加算や減産調整がされた上での金額で支払います。と同時に次年度分の暫定税額も一緒に支払います。

ぜろぐらの場合は?

 上記のシュミレーションと同じくらいです(^^) 大体年収が45~50万香港ドル程度ですので毎年私の所得税額は基本的には3万HKD台です。ただし、ここ数年少し有利な税制優遇がありました。19年春から香港デモがありましたが市民の対政府不満が溜まり、実体経済への影響も相当程度ありましたので、香港政府から特別にガス抜きの減税がありました。最終の所得税納税額から75%を割り引く(Max2万HKD)もので、18/19年度 & 19/20年度で適用があり非常にたすかりました。

 ぜろぐら家の場合は次年度からは住宅ローンの控除も使用できますので、控除を最大限受け取るためにも、香港嫁と夫婦合算で所得税申告をして行く予定です。香港嫁の所得は大体30~35万HKD程度となる予測ですが(ちゃんと明かしてくれません・・このあたりは流石香港人!)、嫁の所得税は扶養控除も使って毎年かなり低く収まってますので、ここから住宅ローン分の控除100,000HKD分を使っても無駄になりそうです。夫婦別で申請してしまうとこうした無駄がおこりそうですので、ぜろぐらと香港嫁の納税額をトータルで抑えるためにも合算して申告する作戦で行きます!

まとめ

 香港の所得税は日本に比べてかなり安いです。特に富裕層にとっては最高でも15%の税率ですので、もしも税金対策をするのであれば、世界でも人気の都市の一つです

 香港の物価は高く、特に住居費は絶叫するレベルですが、所得税が安いところは非常に助かっています。この点についてはタックスヘイブンの本領発揮ですね!

 特にここ二年間の減税措置はたすかりました。今年度ももしかしたらコロナ減税があるかもしれません。(たぶん同じ75%削減措置がそのまま維持されるのではないかと個人的には予測してます)

 今後ますます中国の影響が強くなるので、税制についてもこの先ある程度変更が施されるかもしれませんが、できるだけ税負担が小さいまま継続してくれることを切に祈ってます!(これで今後もしも税金が上がるようであれば香港は本当に魅力がなくなりますからね・・)

今回はこれで以上になります。参考になれば幸いです。それでは!

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